今日の日記は、深夜から始まる。前日(2日)の夜22時過ぎに家を出て、羽田空港へ。今日から、ラオスのルアンパバーンとタイへ一人旅である。

  羽田空港0時40分発のバンコクエアウェイズ4152便に乗り、バンコクへ。JALからのコードシェア便なので安心感はあるが、満席で真ん中の席だったので、結構つらい時間だった。結局、ほとんど眠れなかったし。

  スワンナプーム(バンコク)には、朝の5時前に到着。乗り継ぎまで5時間以上あるのがつらいなと思っていたのだが、バンコクエアウェイズのラウンジがとても快適で、横になって眠ることも出来たのでありがたかった。通常、この手のラウンジはハイクラスの座席を予約していないと入れないのだが、バンコクエアウェイズはエコノミー座席のお客にもこういうラウンジを開放している。これは、本当に素晴らしいサービスだと思う。

  寝不足もかなり解消したところで、スワンナプーム10時05分発のバンコクエアウェイズ941便に乗り、ルアンパバーンへ。予想通り、小型のプロペラ機である。しかし、ほとんど揺れることもなく、快適なフライトだった。

  12時過ぎにルアンパバーンに到着。これぞ東南アジアの地方空港といったラフな感じで、私たち乗客は普通に滑走路を歩いて空港の建物へ向かう。予想どおり、かなり暑い。

  タクシーでホテルに向かい、チェックインの手続きをしてから、部屋の準備がまだ出来ていないとのことだったので、昼食を取りに出掛ける。お目当ては、水牛のステーキ。「カフェ・バーンワットセーン」というレストランに入る。かなりお洒落なレストランだ。

  水牛のステーキは、期待を遥かに超えて美味しかった。脂身の少ない赤身肉で、肉そのものがかなり柔らかく、その上ジューシー。水牛独特の味や臭みなどは全くないので、事前に知らなければ普通にとても良い牛肉の赤身だと思うだろう。あまりに美味しいので、最初の1口を食べた瞬間に思わず天を仰いだほどだ。そのまま食べても、バジルバターと合わせて食べても最高。これは、一発目の食事から大当たりである。また、サラダも洗練されたビネガーソースで美味しく頂けたし、何よりフランスパンのレベルがかなり高かった。さすが、ラオス。

ミックスフルーツのスムージー。暑いところへ来ると、こういう飲み物が本当に美味しい。

  そのまま、メイン通りを少し散策する。私が滞在しているルアンパバーンの中心地は完全に観光産業のための地域になっているので、メイン通りには観光客向けの飲食店やマッサージ、旅行会社などが並んでいる。ただ、これは後述のナイトマーケットなどでもそうなのだが、現地の人たちは観光客に対してグイグイ来る感じがないので、街の雰囲気はとても落ち着いたものになっている。

  せっかくなので、道沿いに建っていたお寺(ワット・マイ)に入ってみる。この建物の形が、ルアンパバーン様式の典型らしい。遠巻きに眺めているとそれなりに地味な感じと思いきや、建物に近づくとその豪華さに驚かされる。壁全体が黄金で装飾されているのだ。これは、圧巻。日本などで黄金の建物や装飾を見るとちょっといやらしい感じを受けるが、ここの黄金色はなぜか落ち着きというか、厳かさを持っている。

  堂内で、仏様に手を合わせる。このお寺に限らず、今回の旅行で訪問した数々のお寺で私は、同じお願い事を繰り返した。どうか、叶いますように。

  メコン川沿いの道を歩いて、ホテルへ向かう。今、簡単に「メコン川」と書いたが、学校で習った世界でも有名な川を実際にこの目で見るというのは不思議な感覚である。教科書の写真ではなく、本物なのだ。川岸まで下りていって眺めると、その雄大さがよくわかる。

橋が架かっていないので、人だけでなく車も船で対岸へ渡る。

  今回宿泊したのは、「The Belle Rive Hotel」。メコン川沿いにある比較的高級な部類に入るホテルで、今回はその中でも少し背伸びをしてバルコニー付きのメゾネットルームを予約した。部屋はとても綺麗だし、ベッドも大きく、リラックスできる環境である。冷蔵庫の中の水やジュースが無料というのも、この暑いルアンパバーンではとてもありがたい。スタッフの皆さんもとても優しくて、このホテルを選んで正解だったと思う。

  部屋で少し休憩してから、再び散策に出る。ルアンパバーンの中心地は観光地化されているとはいえ、メイン通りを外れてしまえば、普通に民家が立ち並んでいる。今日は日曜日なので、子どもたちも学校はお休みのようだ。

  「ワット・セーン」というお寺に立ち寄る。メイン通り(サッカリン通り)にあるので滞在中に何度も目にすることになるお寺なのだが、建築物としてとてもかっこいい造りだなというのが第一印象で、その感嘆の気持ちは最後まで変わらなかった。

  メイン通りを歩いていくと、ナイトマーケットの準備が始められていた。私はその横を通り過ぎ、「プーシー」という小さな山へ登る。それほど高い山ではないのだが、なにせ暑いのでかなり体力を消耗する。

  山の上からは、ルアンパバーンの街を一望することが出来る。文句なしに、素晴らしい景色である。更に、ここから見える夕日が素晴らしいと聞いていたのだが、それを目的にどんどん人が増えていき、しかも日本人が結構いて、日本語で喋っていたり、私が日本人だとわかると話しかけてきたりするので、夕日は諦めて下山する。なぜ海外まで来て、わざわざ日本人同士でつるもうとするのか、意味がわからない。

  下山する頃には、ナイトマーケットの準備が着々と進んでいた。その入口の所にあるフルーツスムージーの屋台で、店員さんお勧めのパッションフルーツと何かもうひとつのフルーツを合わせたスムージーを購入。氷と一緒にミキサーにかけているのでキンキンに冷たく、フルーツの甘みや酸味がガツンとやってきて、美味しい。

  休憩がてら、「レモングラス・サウナ&トラディショナル・マッサージ」で、薬草サウナに入る。サウナの中は薬草の蒸気で溢れていて、香りが良いのでとても気持ち良い。現地の人たちも入りに来ており、色々と世話を焼いて効果的な入り方などを教えてくれた。お茶が飲み放題なので、サウナに入っては外の空気で身体を冷やしながらお茶を飲み、またサウナへ、ということを繰り返す。夕方になると外もかなり涼しくなってくるので、熱々のサウナから出て風に当たると気持ち良い。最後にシャワーを浴びると、驚くほどすっきりして身体が軽くなった。普通のサウナとは一味違う爽快感があった。

結構ちゃんとしたロッカーもあるので、安心。タオルやサウナ着もちゃんと貸してもらえる。

一応、サウナはきちんと男女別になっている。ただ、ロッカーは共用で、一応更衣室もあるが、女性は少し抵抗があるかも。

  サウナを出る頃には、ナイトマーケットが本格的に始まっていた。今日はまだ初日なので、偵察がてら1周回ってみることにする。織物や衣類、小物などを中心に、お酒や絵画、工芸品、珈琲やハーブティーなど、様々なものが売られている。お土産に買いたいようなものは、ほとんどここで揃うだろう。しかも、強引な営業が全くなく、せいぜい笑顔で「サバイディ―」(こんにちは)と声を掛けてくるくらいなので、ゆっくり見て回ることが出来る。子どもたちが店番をしていることも多く、お菓子を食べたり、携帯ゲームをやったりと、自由な雰囲気だ。これくらい商売っ気が薄くて緩い空気が流れていると、こっちも気楽に買い物が楽しめる。

  ナイトマーケットから1本横道に入ると、屋台が立ち並んでいた。今日の夕飯は、ここで食べることに決める。何かわからない料理が大量に並んでいていろいろと目移りする中、店先で焼いていた魚と鶏肉がとても美味しそうだったので、両方頂くことにする。そして、これが大正解。特に魚がふっくらと焼きあがっていて、脂ののりも良く、美味しかった。味付けは(おそらく)塩だけというシンプルなものだったが、それが逆に魚の美味しさを際立たせている。あの真っ茶色のメコン川で獲れた魚がこんなに美味しいなんて、ちょっと予想外である。ちなみに、鶏肉は良くも悪くも日本で食べるものと変わらなかった。

  ナイトマーケットの通りへ戻り、今度は屋台で食後のスイーツを食べることにする。たこ焼きを焼くような機材で作られているココナッツパンケーキを買ってみたところ、思っていた以上にココナッツの風味と甘さがあって驚いた。屋台なのでひとつひとつに焼き加減の差があるのはご愛嬌といったところだが、この味は日本でも普通に人気が出るような気がする。

  ホテルへ向かって歩く。メイン通りはとても明るいのだが、1本道を逸れると一気に真っ暗になり、少し怖い。また、途中のお寺で夜のお勤めが行われており、外に漏れ聞こえてくるお経が心地よかった。

  ホテルに戻ってシャワーを浴びてから、ゆっくりと本を読む。今回、文庫で4冊シリーズの小説を持ってきた。旅行先でこのような時間を持てるのが、とても幸せなことだということに最近ようやく気付けた。