6時起床。今日は、日曜日の分の振替休日である。すぐに身支度を整え、秩父巡礼へ出発する。平日の早朝に地方へ向かうということで高速道路も空いており、予定通り8時過ぎには秩父に到着することが出来た。
まずは、16番の西光寺へ。ここには、願掛けをして名刺を残すと願いが叶うという酒樽大黒天や、佛足石、四国八十八箇所のお砂踏みなどがある。せっかくなので、私も酒樽大黒天の壁部分に名刺を差し込んできた。また、こちらの納経所ではお寺のパンフレットと一緒に絵葉書を2枚頂いた。「これで、巡礼していることを誰かに報告してください」とのこと。ありがとうございます。


酒樽大黒天

佛足石
続いては、17番の定林寺。ここでは、団体巡礼者たちとすれ違った。やはり、お年寄りばかりだ。また、ここの納経所では、数珠の実と何か(名前がどうしても出てこない)の実で作ったお手製の巡礼者人形を頂いた。とてもかわいらしいし、何よりお寺の方の手作りなので、何となくご利益がありそうだ。


手作り感たっぷりで、とてもかわいい。
18番の神門寺は比較的大きな道路沿いにあるのだが、行き方を間違えて袋小路に迷い込んでしまい、脱出は困難を極めた。このお寺は敷地も大変狭く、お参りと納経以外にやることも見当たらなかったが、これぐらいのほうが、良くも悪くも秩父っぽい気がする。

19番の龍石寺は、お寺自体が巨大な岩の上に建っている。そのため、至るところに自然の岩による段差がある。また、境内には、三途の川で死者の衣を脱がせるという脱衣婆を祀る三途婆堂もあり、少し不気味だった。ちなみに、ここの納経所は人が常駐しているわけではないので、その場合は近隣の別のお寺へ納経帳を持っていくことになる。

地面のゴツゴツ感が伝わるだろか。
20番の岩之上堂に到着すると、駐車場に先ほどすれ違った団体のバスが停めてあったので、参拝前に周辺を散歩することにする。せっかくなので歩き用の遍路道を見てみようと思ったら、19番から20番への途中で地すべりが起きているらしく、通行止めになっていた。それでも、「気をつければ通れるだろうよ」と安易に進んだら、ある所で本当に地すべりが起こっていて、とても通れるものではなかった。仕方なく迂回路を歩き、近くの橋まで行ってから戻ってくる。

そんなこと言って、案外通れちゃうんじゃないの?

あ、これはあかんわ。

橋の上から。遠くに見える工場が何ともいえない。

色々な野菜が全て100円で売られている。
戻ってくる頃には団体バスもいなくなり、ゆっくりと参拝することが出来た。このお寺は高台の上に建っているので、遠くまで景色が見渡せるし、自然に囲まれているので木々の良い香りが漂っている。また、堂内の装飾も綺麗で、思わず写真を(もちろん堂外からだが)撮ってしまった。


堂内の装飾が綺麗。
21番の観音寺は、火難に対して霊験があるとされ、「火伏せ観音」とも呼ばれているらしい。先の岩之上堂と正反対に、ここは境内に木がほとんどないので、日光が思い切り差し込んできて、全体的にとても明るい雰囲気になっていた。

お堂も新しいので、余計に明るく感じられる。
22番の童子堂(永福寺)は、非常にのどかな雰囲気のお寺である。参道は畑と野原に囲まれているし、仁王門も藁葺きで、古き良き田舎のお寺といった感じだ。

この仁王門が大のお気に入り。
ここで一旦切り上げ、昼食を取る。今回は、秩父名物わらじかつ丼のお店「安田屋」へ。ここでは、カツの枚数を1枚にするか2枚にするか選ぶことが出来る。今回はせっかくなので2枚にしてもらったが、そのボリュームは相当なものだった。最近胃が大きくなっている私ですらそう思うのだから、よっぽどお腹が空いていない限り1枚のほうが無難だろう。しかし、肝心の味のほうはなかなかで、甘いソースにさっとに通したカツは肉厚だし脂っぽさも少なく、想像していた以上だった。

カツがお椀に入りきらない。
続いて、もはや恒例となったかき氷屋「阿左美冷蔵」へ。前回真夏に来た時は長蛇の列で1時間半待ちだったが、今回は私以外に誰もいなかった。当たり前か。しかし、ここのかき氷の美味しさを考えれば、季節なんて関係ない。しかも、今回は新しくフルーツをそのままミキサーにかけて作ったシロップが登場しており、私はオレンジを選んだ(目の前のフルーツを選んで、それをミキサーにかけてもらう)のだが、これがまた最高だった。通常のシロップに比べると甘みはかなり少ないが、オレンジ本来の味とツブツブが氷と見事にマッチしている。またもや、かき氷の新しい世界を見せてもらった気がする。また、今日はサービスで(なぜそういうチョイスなのかはわからないが)梅干や落花生を頂き、それもまた美味しかった。とにかく、このお店ははずさない。12月から冬季休業に入ってしまうのが残念でならないが、もしかしたらそれまでにもう1度食べに行ってしまうかもしれない。

店内の造りにも凝っている。

この中から好きな果物を選んでミキサーへ。

生オレンジのかき氷。文句なく美味しい。
お腹もいっぱいになったところで、23番の音楽寺から巡礼を再開する。音楽寺という名前の由来は、松の梢を吹く風の音だということだ。確かに、このお寺は山の高いところにあるので、今日も風が強かった。近年は、新人歌手がデビューする際や、かなりの大物もヒット祈願で訪れたりするらしい。


境内からは、秩父市内が見渡せる。
24番の法泉寺へは、116段の石段を上って行かなければならない。段数はともかく、勾配が急なので高所恐怖症の私にとってはつらい。このお寺の最大の特徴は、観音堂と仁王門が一体になっていることである。単純に境内が狭いからというのが理由らしいが、おかげで珍しい造りになって、印象に残りやすくなっている。

個人的には、下りる時が本当に怖かった。

観音堂の中に仁王門が組み込まれている。
25番の久昌寺では、2組の巡礼者と一緒になった。しかし、一方は別のお堂を観音堂と間違えていたし、もう一方はそもそも神社の参拝方法でお参りしていた。それで御朱印をもらっているんだから、笑ってしまう。しかし、私も巡礼中ぐらいは親切な人間でありたいので、後者はともかく(基本的過ぎて逆に言いづらい)、前者には声を掛けたのだが、どうやら秩父巡礼が「観音巡礼」であることすら知らず、本堂と観音堂の違いもわかっていないようで、お話にならなかった。逆に、そこまで何も知らない状態で巡礼へのモチベーションがあるなんて、すごいと思う。と、こんな風に他の巡礼者を馬鹿にしていたら、その直後に私も大チョンボを犯すことになる…。

これが観音堂。

本堂及び納経所へは、池を越えて行く。
上記のように他の巡礼者を(心の中で)馬鹿にしていたら、26番を飛ばして27番の大淵寺へ行ってしまった。これまで続けてきた順打ちが…。しかし、悲劇はまだ続く。


この風景が強く印象に残っている。
26番の円融寺では、今度は私が本堂を観音堂と勘違いした。このお寺は、本堂から山道を30分ほど登ったところに岩井堂(観音堂)があるのだが、それを完全に忘れていた私は、何か変だなとは感じつつも本堂だけを参拝し、御朱印を頂いてしまった。人を馬鹿にしつつ自分も同じミスを犯すとは、何とも恥ずかしい話である。観音堂へは、次回忘れずに参拝しないと。

これは本堂…。
今日最後のお寺は、28番の橋立堂。このお寺は背後に巨大な岩の崖が立っていて印象的だし、鍾乳洞もあるので、観光客で賑わっていた。ここなら、板東や西国の一部のお寺のように、拝観料を取っても人は集まりそうだ。

カメラを縦にしても、崖の上までは入らない。
予定を全て終えたのが16時過ぎ。帰る前に、日帰り温泉「星音の湯」に立ち寄り、温泉でゆっくりと汗を流す。今日の疲れだけでなく、最近は肩こりがひどいので、温泉効果に期待したい。

温泉へ向かう途中。こういう田園風景は癒される。
道の駅に立ち寄ったり、高速が少し渋滞していたこともあって、帰宅は21時過ぎ。車を使って一気にたくさんのお寺を回ると、1ヶ所1ヶ所の印象が薄くなる。板東であれば、「○○寺」と言われれば「ああ、あのお寺ね」と思い出せるが、秩父ではそうはいかない。それが、車遍路の最大の弱点である。板東・西国は(一部車も使ったが)公共交通機関利用、四国は徒歩、秩父は車とそれぞれ異なる巡礼方法を試しているが、やはり、行程に資源(体力・時間・お金)を掛けたほうが思い出にも残るし、達成感もあるのだろう。
