前編からの続き(前編はこちらから)。
海側へ戻り、尾道水道沿いの割烹「かき船」(店名は「うろこ」かもしれない)で昼食。

尾道名物のひとつだというおこぜの唐揚げ定食を頂く。副菜にオムライスがあるのは珍しいしお店の雰囲気ともミスマッチだなと思ったのだが、中に牛肉の佃煮が入っていてとても美味しかった。

お刺身は鯛、さより、アコウと穴子の湯引き。盛り付けが綺麗だし、味も抜群に美味しい。特にアコウダイが絶品だった。

カサゴは丸々1尾。

身はほくほくで、分厚いキスのような味である。名物と言われるだけのことはある。

頭から尻尾まで食べられる。見た目は少し怖いが、サクサクしていて美味しい。

写真を撮るのを忘れたが、デザートには尾道名産の柑橘類が出された。朝食に続き、昼食も理想的だった。
食後の珈琲とデザートを求めて、新開の小さな路地にある喫茶店「キツネ雨」へ。

人気店のようで昨日は大行列が出来ていたが、連休最終日だからか開店直後だったからか、客は私1人だった。ただ、私が出る頃に続々と人が入って来ていたので、単にタイミングが良かっただけかもしれない。

素敵な雰囲気のお店である。

ブレンド珈琲とプリンを頂く。

珈琲はまろやかで優しい味である。

プリンは懐かしい味。卵の風味の甘さとカラメルのコク。やっぱりこういうハード系プリンが一番美味しい。

腹ごしらえを終え、先ほど展望台から見えた向島ドックの客船を見に行く。しかし、奥のドックに入渠したようでよく見えない。

となるともう一度、向島まで見に行くしかあるまい。今度は別航路の駅前渡船に乗ってみる。ちょっと雪がパラついてきた。

先ほどの福本渡船に比べると細長い船である。人の乗れるスペースは同じくらいだが、車線が1車線しかない(福本渡船は3車線)ので総積載量はこちらのほうが少ないと思う。現在の需要からするとこれくらいの大きさがちょうどいいのかもしれない。

こちらもピストン輸送ですぐに出航する。乗船料は100円。こちらは船内で船員さんに支払うシステムである。

本格的に雪が降ってきた。

雪と寒さに耐えながら景色を眺める。手の感覚がなくなりつつある。

福本渡船の桟橋を通り過ぎる。

向島の運河に入り、奥まで進む。

運河の突き当りまではいかず、半分くらいの場所に桟橋がある。

どんどん雪が強くなってくる。しかもベタベタな雪だ。北海道出張用の防水ダウンを着てきて良かった。

それにしても、西へ来て雪に降られるとは思っていなかった。

向島ドックに到着。朝に入渠する様子を見た貨物船のメンテナンス作業が始まっている。

ほどなくして雪が止んだと思ったら、今度は一気に晴れてきた。良かった。

大型客船を探してうろちょろする。

尾道側からも見えなかったが、こちら側からもよく見えない。

かろうじて描かれているキャラクターが見える。その場では青みかん?と思ったが、後から調べたらオリーブだった。小豆島フェリーの「第五おりいぶ丸」というカーフェリーで、姫路・小豆島間を運航しているようである。

駅前渡船の桟橋へ戻る。

桟橋前には多くの自転車が置かれている。島の方々はここまで自転車で来て渡船で尾道に渡り、尾道駅から電車に乗って移動するようである。

乗り場の目の前にはJFE商事造船加工㈱の正門がある。島の方々とは反対に、渡船で尾道から出勤してくる方も多いのだろう。

船がやって来るまで待合室で休憩。ロマンス詐欺か、ジェニファー・アニストンみたいな美女に言い寄られたら私なんか簡単に引っ掛かるだろうな。

10分ほど待って乗船。日中の運航間隔は概ね12分間隔だそうだ。片道6分のピストン輸送ということだろう。朝夕はもっと本数が増えると書いてあったが、2艘で運航するのだろうか。

往路の荒天が嘘のような青空である。

船上からの尾道の街はこれが見納め。

こちらも魅力的な航路だった。

ほぼ休みなしの運航、お疲れ様です。

福本渡船の船が戻ってきたので追いかける。

こちらも動きっぱなしだ。タフな船である。

繰り返しになりますが、来月末まで、どうぞご安全に。

商店街へ移動し、「尾道帆布」へ。

尾道帆布は昭和9年創業で、工場は先ほどまでいた向島にあるそうだ。創業当時からの製法を守り、糸を作るところから一貫製造を続けているとのこと。

ポーチを2種類購入。ひとつは妻にプレゼントしよう。

「尾道浪漫珈琲」で休憩。

ブレンド珈琲とカフェ・ショコラ・オランジュ(ミニサイズ)を注文。

深く考えずに選んだミニパフェだったが、オレンジソースが良いアクセントになっていて美味しかった。チョコレートソースをかけて味変できるのも嬉しい。

センター街(本通り商店街)を散策。「小田印房」で気になるポスターを見つけ、吸い込まれる。

尾道ネコはんこ。猫好きの娘にプレゼントすることにした。優しい尾道弁の店主さんに相談しながら色とデザインを選び、注文。来月中には届くそうである。

線路沿いに出ると、黄色の115系電車がやって来た。「瀬戸内地方の豊かな海に反射する陽光」をイメージした色だそうで、尾道へ来たからには1度は見ておきたかった。欲を言えば乗りたかったが、贅沢は言うまい。

見たい場所は全て見終え、夕食の時間まで余裕があるので、街の銭湯「大栄湯」で汗を流すことにする。

昔ながらの銭湯で、タイル張りの深めの湯船と熱めのお湯が気持ち良かった。高校時代から20代後半にかけて友人たちと深夜によく通っていた地元の銭湯を思い出した。

再び尾道水道沿いを新開方面へ歩く。

市役所のロビースペースで30分ほど時間調整。お風呂上がりにやってきた眠気を抱き、ソファーでしばし目を閉じる。昨晩訪れた展望スペースもそうだが、市役所の施設を24時間開放しているというのはすごい。尾道市さん、ありがとうございます。

この旅を締めくくるべく、最後の新開散策。

「龍が如く6」で誰しもが繰り返し食事をした「米徳」へ伺う。

「1人で肉鍋を食べたいのですが…」と事前に予約をしておいたら、広いカウンター席を独占させてくださった。ありがとうございます。

店内はゲームで描かれていたそのままである。桐生さんはどこの席で食事をしていたのだろう。

昨日前を通った「尾道造酢」のぶどう酢ソーダを飲んでみる。優しい酸味で美味しい。
グラスにお店の歴史が書かれている。今のお若い店主さんは三代目なのか。食事をしながらお話を伺ったら、お店を継ぐために尾道へ戻ってくる前は神奈川で働いていらっしゃったらしい。奇遇ですね。

お通しのポテトサラダに加えて、お月見岩もずくも頂く。普通のもずくと違って1本1本の主張が強い。

いよいよメインの肉鍋である。

店主さんが丁寧に食べ方を説明してくださる。パッと目に入る牛肉だけでなく、その下に豚バラやホルモン、鶏つくねなど様々な種類のお肉が入っている。だから「牛鍋」ではなく「肉鍋」なのか。

念願の肉鍋である。これを食べたいと思ったのがきっかけで今回の尾道旅行を企画した。

食べ頃になるところまでお店の方が調理してくださるので、こちらはニコニコ眺めているだけでいい。

いざ、実食。見た目からすると辛いのかと思いきや、コクのある出汁で美味しい。

教えて頂いた通り、様々な味付けで食べてみる。店長さんおすすめの山椒+ラー油も美味しかったし、魚粉も大きく味が変わって印象的だった。お肉だけでなく、しっかり出汁がしみ込んだ野菜も絶妙で、最後の一口まで新鮮に楽しめた。

〆のラーメンまで楽しみたいところだったが、お腹の具合と相談してやめておく。尾道の旅を締めくくるにふさわしいお店だった。ごちそうさまでした。

最後にもう一度だけ、スナック清美を見に行く。

店内から音がする。清美ママが開店準備をしているのかもしれない。

新尾道駅行きの最終バスが出発済み(最終バスが18時半前)だという衝撃の事実に打ちひしがれ、3キロ強の道のりを歩くかタクシー課金をするかで悩み、前者を選ぶ。思っていたより道が狭くて暗く、途中で少し後悔する。

40分ほどで新尾道駅に到着。

新尾道19:48発の山陽新幹線こだま864号に乗る。

500系新幹線で運行されるこだま号である。日本初の時速300kmを記録した500系にはファンも多く、私も大好き。子どもの頃、大阪の祖父母の家へ遊びに行く際に、母に頼んでこの500系のぞみ号に何度か乗せてもらった。徹底的に速さを追い求めた車両なので車内空間が狭かったり揺れが激しめだったりしたが、本当にカッコ良くて乗っているだけでワクワクしたことをよく覚えている。機能(速さ)を追求した結果がこの美しい車体になるというのも素晴らしい。

本当に惚れ惚れするような車両である。

のぞみ号として運用されていた頃の普通席は2+3席だったが、今は2+2席のグリーン車風である(自由席は2+3席のままかもしれない)。

6号車はグリーン車の座席をそのまま使用しているそうだが、私は敢えてそうではない5号車に乗ってみた。この座席もふかふかでグリーン車仕様のようだが、どこから持ってきたものなのだろう。

車内の側面がカーブしているのが見えるだろうか。2+3席時代はこのおかげで窓側座席に若干の窮屈感があったのをよく覚えている。懐かしい。

終点・岡山までの乗車時間は約35分。500系は2027年を目途に引退することが発表されているから、もしかすると私にとってはこれが最後の乗車になるかもしれない。いや、少なくとももう1回は乗りたい。その時まで、どうか事故や故障なくお元気で。

岡山20:37発の山陽・東海道新幹線のぞみ64号に乗り換え、横浜へ帰る。

車内販売でちょっと買い過ぎた。

新横浜到着は23時半前。これにて今回の尾道・龍が如く聖地巡礼旅は終了である。やや強行スケジュールだったが、楽しかった。
