4時50分起床。6時前に家を出て、横浜駅で彼女と待ち合わせ、京急線に乗って羽田空港へ。羽田08:00発のJAL903便に乗り、沖縄那覇空港を目指す。途中、窓の外に雲から頭を出している富士山が見られた。こんな富士山の姿を見るのは初めてなので、しばらく見入ってしまった。

  沖縄に着いて真っ先に感じたのは、とにかく暖かいということである。気温は20℃を軽く超え、半袖一枚でちょうど過ごしやすいぐらいの気候だ。

  レンタカーを借り、観光に出発する。今回は1泊2日なので、南部のみを回る。少し雨が降っているが、それほど気にはならない。まずは、糸満市にある古民家カフェ「真壁ちなー」へ。明治時代に建てられた琉球古民家がそのままカフェになっていて、沖縄戦の際に打ち込まれた弾丸が柱に残っていたり、歴史を感じさせられる。メニューは、セットや単品料理を組み合わせて、定番の沖縄そば、ラフテー、豆腐チャンプル、じゅうしい(炊き込みご飯)などを食べた。どれも美味しい。全体的に味が薄味なので、多少量が多くてもペロッと食べてしまえる。

  お店を出る頃には雨が上がり、少し晴れ間も見えてきた。車に乗って5分ほどで、「ひめゆりの塔」に到着。壕の前で手を合わせてから、併設の「平和祈念資料館」へ入る。私は、高校2年生の修学旅行でここを訪れている。当時は、元ひめゆり学徒隊の方から直接体験談をお聞きし、あまりの衝撃に涙が止まらなかった。今回、もう一度直接お話を聞ければと思って訪問したのだが、生存者による案内は、高齢化等の影響もあり、2004年頃を最後に打ち切られたとのことだった。前回の訪問は2003年だから、その時が直接お話を聞くことの出来るギリギリの時期だったようだ。現在は、代わりに展示内容がリニューアルされ、当時の様子を視覚的に理解しやすいようになっている。また、インタビュー映像や文章によって体験談を見聞きすることも出来る。

  生の声に比べればインパクトは弱いが、それでもここで見聞きする当時の様子は身の毛のよだつほど恐ろしく、凄惨だ。おびただしい数の負傷兵の看病をし、死体を片付け、砲弾の行き交う中を走り回り、動けなくなった仲間を置いて撤退し、動けなくなれば前線に置いて行かれ、最後は手榴弾で自爆したり、砲弾やガス弾、火炎放射器によって死んでいった彼女たちの姿に、現代の私たちは一体何を感じ、それをどのように今後の行動に反映させていかなければならないのだろうか。また、当時の彼女たちと同じような境遇に置かれている人々が、世界を見渡せば現在もいるということを、私たちはどう受け止めなければならないのだろうか。

  次へ行く前に、近くのお土産屋で少し休憩。さとうきびジュースと、さとうきびアイスを食べる。専用の機械で絞るさとうきびジュースはめちゃくちゃ甘いが、後味は案外さっぱりとしていて美味しい。アイスのほうも、さとうきびの味そのままに、和風の上品な甘さになっていた。どちらも、想像していたよりもはるかにクオリティが高い。

  次の予定まで少し余裕があったので、「平和祈念公園」へ立ち寄る。ここへ来ると、沖縄戦でいかに多くの方が亡くなったのかということをまざまざと痛感させられる。数字で「20万人」「県民の4人に1人」と言われてもピンと来ないが、ここへ来て全ての戦没者の名前が刻まれている「平和の礎」の列を見れば、一発だ。当時、数多くの方が身を投げたという崖から見える海はとても綺麗だが、一方で何だか寂しげな景色にも思える。ここに名前が刻まれている全ての戦没者の魂が安らかであらんことを、ただただ祈るばかりである。

  駐車場に戻る途中で売店に立ち寄り、アイスクリームを食べる。おすすめされるがままに、シークワーサーのアイスの上に紅イモソフトクリームという組み合わせに挑戦。どちらも素材の味が濃く、おいしい。また、売店のおじさんがいかにも沖縄といった感じのまったりとした雰囲気の方で、非常に癒された。

  続いては、「ガンガラーの谷」へ。巨大な鍾乳洞の天井部分だけが崩壊して出来た谷で、内部では現在も考古学者による古代人遺跡の発掘作業が行われている。予約制のツアーでしか中に入ることが出来ないが、結論から先に行ってしまうと、絶対におすすめのスポットである。カフェを併設した受付も鍾乳洞の中にあり、最初から何とも神秘的だ。しかも、これらの鍾乳洞は現在も成長を続けているとのこと。下記の写真(2枚目)で小さな突起が出来つつあるが、これだけ小さな突起でも、できるまでには数十年の歳月が掛かるらしい。

  周囲をサンゴの壁に囲まれたこの森では、とにかく自然の生命力に圧倒される。名物の巨大ガジュマルをはじめ、思わず息をのむような景色が広がっている。ガイドさんの解説も非常にわかりやすく、面白いし、勉強になる。そして、ツアーが終わる頃には、自然の生命力が自分の中にも入ってきて、中から力がみなぎってくるような感覚になる。これ以上はうまく言葉で説明できないので、写真に任せよう。

屋根の上の植物は、上から落ちてくる落ち葉の養分で成長しており、土がほとんどない状態でも生きられる。


鍾乳洞の天井部分だけが崩落して出来た谷であるため、周囲はサンゴの岩で囲まれている。


ガスランプを持って、洞窟に入る。

このように、男性器のような鍾乳石が見られることから、この鍾乳洞は「イキガ洞」(イキガ=男性)と呼ばれている。

ガジュマルの木は、「歩く」と言われている。これは迷信ではなく、実際にガジュマルは上から糸のような根を地面に向かって垂れおろし、その根が地面にたどり着くとそこに根を張り、足場を広げている。とてつもなく長い時間が掛かるが、確かに1歩1歩歩いているのだ。


実際に、発掘調査が行われている。この場所では、丁寧に埋葬された人の骨が見つかっている。

  夕食は、糸満市にある居酒屋「魚町屋ぶぶか」で。沖縄でしか食べられなさそうな品物を注文する。どれも特徴的で非常においしかったが、特に「海ぶどう」や「じーまーみー揚げ出し」(地元豆腐)、「生サバ刺し」が印象に残っている。また、デザートで食べた「海ぶどうアイス」も絶品だった。

「海ぶどうポン酢」


「じーまーみー揚げ出し」。お餅のようなトロトロの食感が新鮮だった。


「クチナジのバター焼き」


「グルクンの唐揚げ」


「ヒラヤーチー」。シンプルなチヂミのような食感。


「生サバ刺し」。生だと、一切臭みがない。


「ボンボコの串」(鳥の尻尾)


「マテ貝のバター焼き」


「マルカルポーネ」


「海ぶどうアイス」。塩系のアイスに、海ぶどうのプチプチした食感がよく合う。

  夕食を終え、今日の宿「サザンビーチホテル&リゾート」にチェックイン。スタンダードタイプの部屋を予約していたのだが、デラックスタイプにランクアップしてもらえたため、バス・トイレ別の広い部屋になった。窓を開けると心地よい夜風が舞い込んできて、リゾート気分を満喫することが出来た。