9時起床。朝一でスーパーへ行く。今日は私の30歳の誕生日なので、彼女が手料理でお祝いしてくれるそうだ。

  朝食は、ご飯、豚汁、きんぴらごぼうに、スーパーのお惣菜コーナーで買ってきたコロッケを追加。

  昼過ぎに家を出て、車を30分ほど走らせて着いたのが、ぶどう狩り農園。家から30分でぶどう狩りが出来るなんて、笠間は素晴らしい土地である。当初は30分1,000円の食べ放題にチャレンジする予定だったが、「絶対に元が取れないから、その分を買って食べたほうがいいよ」というお姉さんのアドバイスに従うことにする。人生初のぶどう狩りは、選ぶのに時間が掛かって、その間ずっと中腰だったので結構つらかったものの、期待以上にワクワクして楽しいものだった。試食と称して丸々1房巨峰を食べさせてくれたのにも驚いた。結局、巨峰3房と、シャインマスカットを1房購入。

入口の雰囲気は、とてもぶどう狩りが出来る場所とは思えない。

この中から選ぶなんて、かなり難しい。

看板娘も愛嬌たっぷり。

  大満足で帰途につく。農園の周りは、田園風景が広がっている。そんな中で一際目立つのが、彼岸花。ここぞとばかりに咲き誇っている。

  イエローハットに立ち寄ってマーチのオイル交換をしている間、待ち合いコーナーのテレビでローズステークス(G2)を見る。3歳牝馬クラシックの最終戦、秋華賞のトライアルレース。私が応援していた夏の出世馬、トーセンビクトリーが見事3着に滑り込み、本番の出走権を確保した。これで本番が楽しみになった。

  彼女の家のすぐ近くにある「笠間の家」なるところに立ち寄る。伊藤豊雄さん設計の建物で、陶芸家・里中英人さんの家だった(今は笠間市が所有し、ギャラリーとして開放している)。中にはカフェもある。笠間にこんなお洒落な場所があるとは知らなかった。

  帰宅し、彼女が料理をしてくれている間、ひたすらゴロゴロする。そして、いつの間にか寝てしまった。

  夕食は、手料理のフルコース。サラダ、グラタン、そしてスペアリブ。デザートには、私の大好きな笠間駅前の洋菓子屋「グリュイエール」で特注したというモンブラン(私が寝ている間に受け取りに行っていたらしい)と、先ほどとってきた葡萄たち。スペアリブがびっくりするくらい美味しい。ジューシーで柔らかく、いちから作ったソースとよく合う。ケーキには手作りのビスコッティのプレートがつき、最高のモンブランになっていた。ぶどうは、巨峰もシャインマスカットも甘さが体全体に染み渡る味。やはり、木で完熟させているぶどうは一味違う。これ以上ない料理に囲まれて、最高の誕生日ディナーになった。本当に、彼女に感謝である。

  正直なところ、最近は結婚に関するあれこれに気がいっていて、自分が30歳になるということにはあまり気が向いていなかった。しかし、こうしてお祝いしてもらったり、家族や友人からお祝いのメッセージを頂いたことで、当日になってようやく少し実感が湧いてきた。子どもの頃に思い描いていた30歳像に比べるとかなり幼いままだが、今になって何となくわかってきたのは、子どもの頃に思い描いていた「大人」には、おそらく今後もずっとなれないだろうということである。今の幼い精神性のまま、それを表面上取り繕う術を磨くだけで、ずっと年を重ねていくのだろうという気がする。ただ、聞くところによると、人は結婚して家庭を持ったり、子どもが出来たりすると、一気に責任感が増して成長(それを成長と呼ぶと仮定するとだが)するらしい。もし仮にそれが本当だとすると、今後、今よりも少しくらいは大人になる可能性もあるのかもしれない。それに期待して、30歳のスタートを切ることにしよう。